旧約聖書を読む時、これはただのイスラエルの民族史ではないと思いました。
なぜなら赤裸々に恥ずかしい事が書かれているからです。
例えば、ダビデ王の失敗などは、イスラエルの最大のヒーローであるにも関わらず、部下が戦争で戦っている間に不倫してしまい、妊娠した事が分かると、部下に知られたくないので、最前線に出して殺してしまいました。
ダビデ王の最大の汚点ですが、それを隠さずに挿入しています。さらにそこから、ダビデ一家は転落していきます。
その中身も非常にドロドロしたものですが、それを敢えて残す所が凄いと思います。
真実であるにはあまりにも不都合な情報です。イスラエル民族の恥を残すのはなぜでしょうか?意味がないと思うのです。
僕はドロドロした聖書を読み、最初は気が乗りませんでした。
さらに読み続けるうちに、これは自分の人生を表している、と思えるようになったのです。
第303回 聖書には人間の真実が描かれている